Bright Memories

かすかな記憶、つたない言葉

舞台 グリーンマイル

人生で2度目の舞台鑑賞。初めては2014年の『中の人』という舞台で、主演は今回と同じく自担の加藤シゲアキさんだった。この時は大阪の千秋楽をかなり前の方から見ることができて、自分の名義が優秀過ぎて鳥肌が立つほどだった。今回、自分の名義は外れてしまい一緒に申し込んだ友達からも「ダメだった」のLINEばかり…。最後の1人の連絡待ちをしている時点で、私はもう99%諦めていた。仕事中に来た最後の1人からのLINEは「当たったよ!」と。嬉しさのあまり飛び跳ねそうになった。そう、奇跡が起こったから。

「奇跡ってそんなに簡単に使う言葉じゃ無いでしょ?」と言われそうだが、私は安易に使っているわけでは無い。なぜなら、この最後の1人となった友達は『NEWS LIVE TOUR 2015 White』の名古屋公演以降会っておらず、それ以降はLINEもほとんどしていなかった友達で。今回なんとなく申し込み期間ギリギリに連絡してみると、その友達の名義で私の分も含めて2枚申し込むよと言ってくれたのだ。同担だった彼女を思い出さず、また会いたいなと思わなかったら、私は今回の舞台に行けなかったかもしれない。人との縁は大切にしようと改めて思った。

さて、舞台当選までの話はこれくらいにして、舞台当日のお話を。

チケットを当ててくれた友達と、お昼に京都駅で合流。ランチを食べ、おしゃべり。店を出てデザートを見つけて食べてまたおしゃべり。同担ということで、話がとても通じる。見ているところがほとんど一緒で、話はとても盛り上がった。もう1人会いたいと言っていた同担と劇場前で合流し、3人で中へ。劇場前で合流した友達とは席が少し離れていたが、舞台が終わってから再合流して少し話した。

舞台の感想としては、ざっくり言うと「死刑や無実、民主主義などを考えさせられた」である。普段考えもしないことで頭の中がぐるぐるしているが「この世の中での正義ってなんだろう…」とか「無罪と有罪ってなんなんだろう…」とか、答えのない疑問に彷徨う旅に出てしまいそうになる。かなり今更だが、私は事前にストーリーを調べずに舞台を観に行った。

印象に残ったシーンが3つある。ひとつ目は加藤さん演じるポールと、把瑠都さん演じるコーフィが所長の奥さんのメリンダ(脳腫瘍を患っており、その影響で暴言を吐くなど人が変わってしまった)を助けるためにトラックの荷台に乗って所長の自宅に向かうシーンがある。そこで、ポールがコーフィの無実に気づいてコーフィに色々な質問をするが、コーフィは「わからない」と答えるばかり。必死になって思い出せよとポールはコーフィに訴えかけるのだが、これは責任を持って看守という仕事に取り組んでいるポールだからこそ、コーフィの無実に気づけたと思うし、こうして熱心に無実を晴らそうとしているのではないかと思った。ふたつ目の印象的だったシーンは、最後にポールがコーフィの無実を晴らすことができず死刑執行となる場面だ。電気椅子に座らされたコーフィは、暗いのが怖いからと頭に布は被らず、頭に濡らしたスポンジを載せて固定される。ポールが「第2スイッチ、オン」と言って死刑が執行されるのだが、このポールのセリフの言い方が良かった。「第2スイッチ」と「オン」の間に少し間があり、ポールの口元が震えたのだ。無実なのに死刑執行されるコーフィに対して懺悔の気持ちもあったと思うが、無実の人間を死刑にできるこの世の中に怯えているようにも見えた。そして最後、みっつ目の印象に残ったシーンは、コーフィの死刑が執行された後…70年後に、周りのみんなが死んで行く中で生き続けているポールが、コーフィが残りの寿命を自分に与えたと気づくところだ。これは、コーフィからポールに「この世の中を変えて欲しい」というメッセージだったのではないかと思う。自分の無実を必死に証明しようとしてくれたそのポールの思いがコーフィにきちんと伝わったから、未来をポールに任せようと思ったのではないかと感じた。

と、内容に関してはこのくらいにしておいて。演出については、ライティングがとても良かった。明暗で牢獄の中と外を区別させ、グリーンの床を細長く照らすことで死刑が執行される場所までの道のり(グリーンマイル)を表現していた。コーフィが捕まるまでの説明をする場面でも、照明の色で地面や川を表現しており情景がすぐに浮かんだ。コーフィが特殊な能力を発揮する時(治す人の悪い物を吸い取り、外に吐き出すシーン)も、非常にわかりやすかった。ひとつ疑問があるのだが、第1幕も最後のシーンでデルという死刑囚の死刑が執行された。その時に鳥肌がたったのだが、冷気が客席に流れてきたような気がした。これは私自身が恐ろしいと感じて鳥肌がたったのかもしれないが…。

ということで、観劇した後以上のことをいくつかアンケートに書いてから、劇場を後にした。30分程、チケットを当ててくれた友達と、内容や演出、自担について語り合った。特に、役作りで変わった体格や姿勢、歩き方などの自担の話が止まらず、心から溢れる幸福感も止まらなかった。ストーリー自体は決して楽しいものでは無かったが、自分の身になる内容だった。

と、実際に舞台を観に行ったのは一昨日の6日。本日は千秋楽であり、今頃最後の公演が終わったくらいだろうか?きっと後悔の無いようにポールを演じ切っただろう自担に拍手を送りたい。1ヶ月と1週間位の間、お疲れ様でした。ありがとうございました。